部下に自由な発想で開発できる環境を作ってあげたいです。
所属 | パイロット事業部 開発 |
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現在の仕事内容 | 表面処理(PVDコーティング/プラズマ窒化)の開発、技術サービス |
入社を決めた理由
社長が私のもとに勧誘に来てくれた
私は富山高等専門学校の研究室でPVDコーティングの研究をしていました。その卒業研究がきっかけです。
同じ研究室の友人の父親から北熱の話を聞きました。友人の父親はモノづくりの仕事で北熱と親しくしており、北熱はコーティングの事業を始めるタイミングだったそうです。。
その時は強く意識をしていたわけではないのですが、しばらく経って当時の社長が私のもとを直接訪問してくださり、勧誘していただいたので、何もわからずに行きますと言っていました。
元々、自分の得意なことを続けたいという願望はあったので、卒業研究を含めると約20年間、一貫してPVDコーティングの研究開発を担当できている環境に満足しています。
今の仕事の内容
新しい技術の開発がミッション
一番メインになってくるのは新しいコーティング商品を出すことです。大学・国・県で共同体をつくり、研究を進めることもあります。
今のコーティングの種類は20種類ほどありますが、初めは4~5種類しかありませんでした。それを少しずつ世の中のニーズに合わせて1つずつ増やしてきました。
性能で一番変化するのは硬さで、最も硬い物質であるダイヤモンドに近付いていっています。あとは耐熱温度、耐熱性も大きく向上しており、ここ10年ほどで性能は一気に上がりました。
当初は新商品を追加しても商品は5種類に絞る予定だったのですが、簡単には切り替えれませんでした。コスト面や扱いやすさはもちろんですが、硬くなると脆くなるので顧客の要望にピンポイントにこたえるには5種類では少なすぎたためです。現在は商品ラインナップを大幅に増やしたことで、顧客のニーズに幅広く対応できるようになり、当時より生産量は当然増えています。
また、県内外の企業を訪問し、開発商品を提案しています。
通常は営業マンが行くのですが、新商品が自分の開発した商品関連の場合は一緒について行くこともあります。ときには私単独で動くこともあります。北熱は営業や開発を分けて役割分担しているわけではなく、必要性に応じて適任者が訪問する体制をとっています。
仕事に対しての思い(やりがい)
お客様のよろこびの声をいただけたとき
開発では起案、予算化、開発、商品化、客先提案まですべて自分で行いますので、お客さんがコーティングをして「良かったよ」「性能が伸びて助かったよ」という話を聞いた時のよろこびはひとしおです。
正直、商品開発はできたけど売れないことがよくある世界なんです。今まで何年もかけてやってきたものが評価を受け、お客さんの役にも立ち、私の商品開発は間違いなかったと思えた瞬間のことは忘れもしません。
最近では業界から注目を浴びた「深穴内面コーティング“diXis”」の開発も担当しました。PR活動で、大手の自動車メーカーなどに行って「こういうものがあるんですよ」とお話したら「それ知っていますよ」や「北熱さんといえば」という話を聞いたときに感慨深いものがありました。
私が会社に入ったとき、お付き合いのある会社は富山県の中の中小企業がほとんどでした。それが、県を超えて、さらに大手の企業様に認識していただけることはコーティング事業を進めた結果と思います。
入社してからどのような事をしてきたか(業務、資格、経験してきたことなど)
装置からの開発と博士の取得
色々やってきましたが、特に印象強い事は2つです。1つ目は「開発で装置から作ったこと」、2つ目は「社内制度で博士をとったこと」です。
装置から作った時は、本当に初めての試みでした。コーティングの膜を開発するときは、既存の装置を使って、原料を変えたり、処理する電圧を変えたりと条件を変更して新たなものを作ります。
しかし、この方法では限界があるため、思い切って装置から作るという話になりました。
ゼロからというほどではないですけど、本当に動くかが確信がない装置。最初組みあがったときには動作してくれず、そこからは大変でした。ただ動かないのにも理由があるので、しっかり現象を見ていけば原因がわかるんです。運用できるまでとにかくトライ&エラーを繰り返して、動作するようになった際は感動しました。
博士を取得したのは社長の一言がきっかけでした。私は入社して5年ほどの仕事で、新しいコーティングを完成させました。そのタイミングで社長に「ドクターを取って知見を広めてみないか?」と言われました。せっかくの機会なので前向きに取り組むことにしました。
私は金沢大学へ入学し、コーティング工具による機械加工について研究を進めました。大学では多くのことを学びましたが、特に研究活動や学会活動を通じてネットワークを拡大できたことが、現在の開発に役立っています。
自身の将来像
部下に自由な発想で開発できる環境を作ってあげたいです
私が得意としている表面処理の開発で、他社にはできない技術を生み出していきたいです。
また、上司として部下にのびのびと「創造的で独創的」な開発をしてもらう環境を提供したいです。
社長方針の中に「創造的で独創的」というキーワードがあります。私は入社してからずっと社長の直属だったので、独自の商品を考えろと言われ続けてきました。独自性を出して、北熱だけができることを狙っていくというのが会社の方針と信じて進んできました。
今後は部下にも会社の方針にむけて一緒に進んでほしいと考えています。そのために働きやすい労働環境を整えてあげたいです。私は自由にやらせてもらったからこそ、色々経験を積めてできたことがあったと思っていますので、そのような環境を作りたいです。
自由と言っても好き放題にやらせるわけではなく、締めるところは締めたり、アドバイスをあげるときはあげて、成功するためのヒントを与えつつ、自由な発想で開発を進めてほしいです。
どんな職場と感じているか
新技術の開発に理解の高い会社
新技術の開発に対して、会社の理解が高いと思います。
社長自身がもともと技術者だったのです。研究開発型の企業を目指すことはずっと言っていたので、同規模の同業他社と比べると研究開発に費用や人材は使わせてもらっています。50人ほどの規模で開発専属が4人確保しているのは理解がないと難しいと思います。
私たちの開発に適している人材はまさに考える人です。
例えば、私の指示通りの作業しかしないのであれば、私のアイディアしかないということになります。考える人だったら「こんなことをしたいけど」「じゃあこんなことは?」と、私の予想もしないことが出てきます。作業が早い人よりもアイディアを出せる人に向いている部署といえます。
職場の良い所/悪い所
柔軟な業務スタイルが魅力
・職場の良いところ
開発メンバーはノートパソコンを持って好きな場所で業務を進められます。例えば、使用する機器の近くや、考えたいのであれば静かな場所など、柔軟な業務スタイルが可能です。
私の場合、実験したいときはノートパソコンを持って評価試験室に行って、そこで試験をしながら数値を入れたりしています。
・職場の悪いところ
悪いところではないのですが、弊社では年間休日が増えていき、残業時間も削減しています。
その中で他の優秀な企業さんよりも良い商品を出さなきゃいけないので、効率よく仕事するための改善に取り組んでいかないといけないと感じています。
アフターファイブの過ごし方(趣味など)
毎日の筋トレは欠かせない日課です
最近は歳とともに体力が落ちてきたので筋トレを1時間ほどしています。その後に子供とお風呂に入ったりして過ごしています。
まだ半年ほどしかやっていないのですが、これからも継続していきたいですね。
休日は息子3人と遊びに行くことが多いです。運動場、プール、スーパーへ行っていたらあっという間に時間は過ぎています。
趣味の自家菜園、実家の米作りの手伝い、洗車も時間を作って楽しんでいます。